
産後の家事代行・ベビーシッター、区の補助で安く使える?
「家事を人に頼むなんて、ぜいたくかな」——そう感じて、しんどいまま踏みとどまっている方はとても多いです。でも東京23区には、1時間500〜1,000円ほどでヘルパーが来てくれる区の制度や、ベビーシッター代を1時間2,500円まで補助する東京都の制度があります。この記事では、産後に家事・育児を外に頼る方法を、安い順に整理しました。
・いちばん安いのは区の家事・育児サポーター派遣(港区 750円/時間、江東区 500円/時間など。区ごとに違う)
・ベビーシッターは東京都の補助(1時間2,500円・年144時間まで)が23区すべてで使える。いったん自分で払って、あとから戻る方式
・民間の家事代行は1時間2,800〜5,000円台。区の制度の枠を使い切ったあとや、すぐ来てほしいときに
・どれも妊娠中に登録しておくのがコツ。産後に手続きするのはいちばん大変
「家事は誰でもできる仕事」だから、頼んでいい
産後の体は回復の途中で、そこに授乳と細切れ睡眠が重なります。一方で、洗濯・掃除・食事づくりは出産した本人でなくてもできる仕事。だからこそ、パートナーや家族、そして外のサービスに渡していい部分です。「頼めない」のではなく「頼む先を知らない」だけ、という方がほとんどです。
なお、区の産後ケア事業(宿泊・デイケア・訪問で助産師にケアしてもらう制度)には、家事支援は含まれていません。家事を頼むには、この記事で紹介する別の制度を使います。
① 区の家事・育児サポーター派遣(いちばん安い)
東京都が費用を全額補助し、区が実施している制度です。ヘルパーや産後ドゥーラが自宅に来て、掃除・洗濯・買い物・食事の用意・上の子のお世話などをしてくれます。区によって名前も金額も上限も違うので、代表的な区の例を挙げます(2026年9月時点)。
- 港区「産前産後家事・育児支援サービス」……自己負担 2時間 1,500円(1時間あたり750円)。妊娠中〜1歳の誕生日前日まで最大128時間、子が3歳になるまで使える。非課税世帯は半額。
- 千代田区「育児支援訪問事業」……1時間 1,000円(所得により500円・無料)。産前産後で合計60時間まで。身近に頼れる人がいない妊産婦が対象。
- 江東区「こうとう家事・育児サポート事業」……1時間 500円。妊娠中〜0歳で90時間まで、3歳未満まで利用可。
- 世田谷区……ヘルパー派遣ではなく「せたがや子育て利用券」(1万円分)方式。妊娠中の面接(ネウボラ面接)を受けると受け取れ、家事援助やベビーシッター、訪問型の産後ケアに使える。
お住まいの区の制度は、区のサイトで「家事 育児 支援 派遣」「産前産後 ヘルパー」と検索するか、母子手帳を受け取るときに窓口で聞くのが早いです。申し込みは事前登録が必要で、登録から利用まで数週間かかる区もあります。
② 東京都のベビーシッター補助(23区すべてで使える)
「ベビーシッター利用支援事業(一時預かり利用支援)」という東京都の制度です。未就学の子どもを、東京都が認定したシッター事業者に預けたとき、1時間あたり最大2,500円(夜10時〜朝7時は3,500円)が補助されます。年144時間まで(多胎児・ひとり親などは288時間)。産後の通院や休息、上の子の送迎など、理由は「一時的に保育が必要」であれば幅広く認められます。
- 実施区……23区すべて(多摩地域は実施していない市町村もあります)。
- 使い方……東京都の認定事業者と契約して利用 → いったん全額を払う → 領収書を添えて区に申請 → 後日、補助分が振り込まれる(償還払い)。区によっては事前登録が必要。
- 注意……入会金・年会費・交通費・キャンセル料は補助の対象外。シッターの時給が2,500円を超える分は自己負担。
たとえば時給2,400円のシッターに3時間頼んだ場合、7,200円をいったん払い、あとで区から最大7,200円が戻ってくる計算です(実際の戻り額は区の要件によります)。
③ 民間の家事代行・ベビーシッター(すぐ来てほしいとき)
区の制度は安い代わりに、登録に時間がかかる・日時の融通が利きにくい・回数に上限がある、という面があります。「今週なんとかしたい」「枠を使い切った」ときは民間サービスの出番です。2026年9月時点の公式サイトの表記は次のとおりです。
- 家事代行 CaSy(カジー)……1時間 2,790円(税込)〜、交通費別。スマホで日時を指定して予約でき、料理代行も選べる。
- 家事代行 ベアーズ……定期プランで1時間 3,245円(税込)〜。単発は1回3時間から(3時間 16,170円税込)。
- ベビーシッター キッズライン……シッターの時給は首都圏 2,200〜2,600円が目安+手数料(単発22%)+交通費。1時間から予約可。東京都の補助の認定事業者にも入っている。
1時間2,790円(税込)〜。スマホで予約でき、掃除・洗濯・料理をまとめて頼めます。まず1回、いちばんつらい家事だけ手放してみるのがおすすめ。
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どう使い分ける?
- 産後すぐ〜3か月……区のサポーター派遣を軸に。上限時間はここに集中して使う。
- 通院・上の子の行事・どうしても休みたい日……東京都のシッター補助。
- 突発で今週来てほしい/区の枠を使い切った……民間の家事代行を単発で。
- 体そのものを休めたい……食事つきで泊まれる産後ケア施設(区の補助金で数千円〜)。家事支援とは別枠なので、両方使えます。
頼むときのコツ
- 最初に頼むのは「いちばん重い家事1つ」……お風呂掃除、夕食づくり、洗濯物の山。全部を渡そうとすると説明が大変で、かえって疲れます。
- 人が家に入ることへの抵抗は、慣れます……初回は在宅で、リビングだけでもOK。「散らかっていて申し訳ない」と思う必要はありません。散らかっているから頼むのです。
- 登録・予約はパートナーや家族の担当にできます……区の申請書やアプリの登録は、出産した本人でなくてもできる作業です。出産前に「家事まわりの手配はこの人」と決めておくと、産後に言い出さずに済みます。
- 妊娠中に1回使ってみる……区の制度は妊娠中から使えるところが多いです。産前に1度体験しておくと、産後は「いつもの人にいつもの内容」で済みます。
こんなときは相談を
・食事や睡眠がまともに取れない日が1週間以上続いている
・気分の落ち込みや涙が止まらない、赤ちゃんをかわいいと思えない(「産後うつかも?」と感じたら)
・頼れる家族が近くにおらず、ひとりで抱えている
区によっては「身近に支援者がいない」ことが利用条件になっている制度もあり、その場合はむしろ優先して使えます。
まとめ
産後に家事や育児を頼む先は、区のサポーター派遣(500〜1,000円/時間) → 東京都のシッター補助(2,500円/時間まで戻る) → 民間の家事代行(2,800円/時間〜)の順に選ぶと、費用を抑えながら必要なときに助けを得られます。どれも申し込みは妊娠中に。「頼むのはぜいたく」ではなく、回復のための段取りです。食事は宅配に頼る方法も、あわせてどうぞ。